検索連動型広告でキーワードを設定する際にマッチタイプを選択します。このマッチタイプとはユーザーが検索した語句(クエリ)にどのようにマッチ(一致)した時に広告を表示するかを設定することができます。
マッチタイプは大きく分けて3つとなります。
「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」です。
なお、Google広告の絞り込み部分一致はなくなり、世界各では2021年2月から新しいフレーズ一致に移行しており、日本では2021年7月頃に移行しました。
参考:https://ad-buffs.com/google-ad-kewirds-update/
yahoo広告でも絞り込み部分一致も廃止されました。
この記事では「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」をメインに説明します。
キーワードの類似パターン
マッチタイプの説明の前に、かんたんに抑えておいてほしいのがキーワードの類似パターンについてです。
検索広告ではユーザーが検索した語句を拡張してくれる機能があり、限りなく同じ意味をもつ語句は類似パターンとして認識されます。
犬とイヌのキーワードは類似パターンにあてはまるのかといったようなものです。
以下に該当するパターンを挙げます。
- 表記ゆれ
例:「眼鏡」と「メガネ」や「本」と「ほん」 - 類義語
例:「水着」「スイムウェア」 - 略語
例:「スマートフォン」「スマホ」 - 検索意図が同じ
例:「無料素材 画像」「フリー素材 画像」 - 意味が同じで語順が異なる
例:”女性用 帽子”「キャップ レディース」 - 検索に影響しない助詞や接続詞の追加・削除
例:「男性用の服]」「男性用 服」
これらは全てのマッチタイプで類似パターンは適用されます。
詳しくは以下を参照ください
なお、部分一致についてはさらにキーワードの拡張機能があります。
部分一致での登録キーワードが「自転車」なら「マウンテンバイク 購入」「サイクリング おすすめ」といった検索語句でも表示されるかと思います。
他のマッチタイプでも類語で表示される場合もありますが、通常の部分一致だと意図していない場合の語句も拾ってきます。
そのため、費用がかさんでしまうことも起こりえますが、意図していない語句でCV(コンバージョン)が取れるお宝キーワードを発掘することもできるので良い点、悪い点を考慮しながらうまく活用するといいでしょう。
4つのマッチタイプについて
それではここから4つのマッチタイプについて説明していきます。それぞれに特徴やメリット、デメリットなどもあるのでそれらを把握し有効に活用していくようにしましょう。
キーワードは抜けもれなく考えるにはMECE(Mutually Exclusive Collectively Exclusive/モレなく、ダブリなく)で考えると効率がいいです。
完全一致
完全一致は設定したキーワードのみ広告出稿されるマッチタイプです。(ただし、先述の表記違いなどは表示される)
よく検索されるであろうワードなどは完全一致で運用して、無駄なワードは表示させないといった場合に使われます。
ただし、完全一致のみの運用だと機会損失も増えてしまいます。完全一致については確実に広告を出したいキーワードで設定するといいでしょう。
自社の名前やサービス名(指名検索)は完全一致もしくはフレーズ一致がおすすめです。
google広告で完全一致の入稿方法
Google広告での完全一致の入稿方法は、キーワードを追加したいキャンペーン、もしくは広告グループを選択した状態でキーワード→検索キーワードのメニューからプラスボタンをクリックします。
上の画像を例にすると、
名古屋 スポーツジムというキーワードで完全一致でキーワードを登録する場合は[名古屋 スポーツジム]と入力します。キーワードが[ ]のかっこで囲まれていたら完全一致での登録となります。
キーワードを複数登録する場合はキーワード1行となっていますので、改行して登録します。別のマッチタイプが混じっていてもキーワード登録できます。
yahoo広告でのキーワードの入稿方法
yahoo広告での完全一致のキーワード登録方法の説明です。画像はyahoo広告管理画面の「新画面」での説明となります。google広告の管理画面にだいぶ寄せているのでGoogle広告・yahoo広告ともに使っている場合は新画面がおすすめです。
まずは任意のキャンペーンもしくは広告グループを選択した状態で上の画像赤枠の「キーワード」を選択します。広告グループを選択した状態がおすすめです。
キーワードの画面が表示されるので赤枠の「+キーワード作成」をクリックします。
キーワードの登録画面が表示されました。
まずは①に登録したいキーワードを入力します。
②でマッチタイプを選択します。デフォルトでは部分一致となっているので完全一致に変更します。
③のキーワードを追加をクリックするとキーワードを追加する準備ができます。
キーワードは複数登録できるので複数の場合はキーワードごとで改行しましょう。一度の登録は10個以内です。
キーワードを追加したら上の画像のようになります。
他のマッチタイプでも同時に登録できるのでフレーズ一致や部分一致のマッチタイプを変更してキーワードを追加していきます。
キーワードの追加が終わったら「作成」ボタンをクリックしてキーワードの登録は完了です。
フレーズ一致
フレーズ一致は指定した語句と語順が指定したものがマッチした際に広告が表示されるキーワードです。
”自転車 おすすめ” というキーワードをフレーズ一致で設定したら、
「自転車 おすすめ 人気」や「人気 自転車 おすすめ」」「 自転車 人気 おすすめ」」という検索語句で広告が表示されます。
2023年時点ではフレーズ一致でもキーワードの拡張が広がっています。上記以外のケースの検索語句でも拾われることもあります。こまめに検索語句をチェックして問題があれば除外ワードを追加しましょう。
なお「おすすめ 自転車」といった語順が違う検索語句では広告は表示されません。
※例外で「意味が同じで語順が異なる」語句の場合は順序が違っていても表示される場合があります。
例:”男性用 靴”というフレーズ一致なら「シューズ メンズ」という検索語句で表示される場合もあります。とはいえある程度GoogleやYahooのさじ加減の部分もあるかと思います。
googleのフレーズ一致のキーワード追加方法
フレーズ一致のキーワードは””(ダブルクオーテーション)の記号で囲みます。
“名古屋 スポーツジム”というふうにキーワードを囲めばフレーズ一致としてキーワード登録されます。
絞り込み部分一致(Google・yahoo共に廃止)
※絞り込み部分一致はGoogle広告・yahoo広告共に廃止となっており、現在はフレーズ一致が代替マッチタイプとなっております。
部分一致
言葉の通り部分が一致すれば広告が表示されます。自転車 おすすめ というキーワードで自転車と検索しても表示されたりします。
また、キーワードの拡張もあるので「マウンテンバイク」「サイクリング」というキーワードでも表示されます。
そのため、意図していないキーワードで広告が表示されます。
メリットは意図していない語句でCVが取れるキーワードが見つかることです。デメリットは表示してほしくないようなキーワードでも広告が表示されるため無駄なクリックが増え費用がかさむことです。
Google広告では目標CV単価やCVの最大化といった機械学習の入札戦略を使用していると最適化案に絞り込み部分一致を部分一致にしたほうが現在と同程度かそれ以上のCVが見込めますみたいな案内が出るかと思います。
予算が、かつかつでなく今後も広告の成長を期待するのであれば部分一致を追加していくのをオススメします。
しかし、先述した自社名やサービス名の指名検索は完全一致かフレーズ一致で運用するのが望ましいです。
運用しているキャンペーンで部分一致で運用してみたところ、無駄なクリックが増えCPAが上がってしまったこともあります。キーワードの抽象度が高いと意図しないワードを拾ってくることが多いです。
こまめに除外ワードも追加していったのですが、いたちごっこのように不要なワードでの検索が出てきたので。頑なに否定するわけではありませんが、相性がいい場合と悪い場合があると思いますので最適化案の部分一致の変更は慎重に行いましょう。
部分一致に変更してコンバージョン数やCPAも大幅に改善されたケースのほうが多いので部分一致はオススメです。
Google広告の部分一致のキーワード登録方法
部分一致のマッチタイプキーワードを登録する場合は記号はいりません。
そのまま、
名古屋 スポーツジム
とキーワードを登録するだけです。
同じキーワードでマッチタイプが違う場合、広告が表示される優先度は
1.完全一致
2.フレーズ一致
3.部分一致
の順に表示されます。(上が優先度高い)
目標コンバージョン単価やコンバージョンの値など自動入札キャンペーンで運用しているのであれば同じキーワードがマッチタイプごとに登録されているなら「部分一致」に登録するのがおすすめです。
※キーワードや状況によっては当てはまらない場合もあるので少しずつ拡張していくのも手です。
関連記事:部分一致とは?シグナルの性質や使い方について解説
キーワードマッチタイプまとめ
この記事ではリスティング広告のキーワードマッチタイプについて解説しました。
文章だけ見ても中々分からない部分も多いと思います。ひたすら広告を触りまくって実際の表示回数やクリック回数などを見て覚えるのが一番早いと思います。
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