MECE(ミーシー)とは? ロジカルシンキングの基礎を説明

目次

MECEとは?

論理的思考のあらゆる基礎をなす考え方がMECEである。MECEとは「モレなく、ダブりな」を意味しており、「 Mutually Exclusive Collectively Exclusive」の頭文字をとってMECE(ミーシーもしくはミッシー)と呼ぶ。

問題解決においてまずは、手当たり次第に行動に移しては解決の効率が悪い、もしくは解決に至らないこともある。問題解決に当たる前にまずはその問題に対して「MECE」で考えているかどうかが重要になる。

先述した「モレなく・ダブりなく」という概念だが、例えば「モレがある」状態で問題解決をしようとしても、非効率になる。また、「ダブりがある状態」でも同様だ。したがって問題提起の際は「MECE」で考ると良い。

MECEの説明

MECEで考えることのメリット

1.考えの全体像を押さえることができる

MECEで考えることによって全体像を捉えて考えることができる。反対にMECEで考えれていない場合はモレやダブりがある状態であるので全体で捉えることができていない。

2.問題解決が効率化

先述の思考が全体的に捉えられることで問題を解決が効率化される。例えばとあるお菓子メーカの商品Aを買う年齢層を年代別で切り分ける。そこからどの年代の人が購入しているかが多いかを見て判断し仮説を立て、今後のプロモーションの改善を行うという問題解決があるとする。例として年齢を10歳未満、10代、20代、30代と分けていったとして、50代だけ抜けていた(モレがある)状態では効果的な問題解決には至らない。また、未成年、学生、成人、老人といった切り口では「ダブり」が出てしまっているのでこちらも非効率である。したがって問題提起の時点でしっかりと「モレなく・ダブりなく」考えられているかが重要である。

3.相手への説得力が増す

相手の知りたいことが欠けている状態、「モレがある」状態で説得しようとも、対象がその内容に納得することは少ない。また、説得する内容に「ダブりがある」場合でも同様のことが言える。モレがある場合やダブりがある状態で説得すると誤った認識として受けたられてしまうことがあるので注意が必要。MECEで伝えればそういった問題も防げる。

説得力であれば文章作成のPREP法も役に立つ。

MECEに切り分ける方法や注意

ここでいくつかMECEの切り口について紹介する。全てではないがよくある切り口なので覚えておくといいだろう。

対照で切り分ける

メリットやデメリット、質と量など対照な概念で切り分けて考える手法。対比することにより物事がはっきりとする。

  • 男女
  • 右利き左利き
  • メリットやデメリット
  • 質と量

などの対照概念で切り分けることができる。
MECEの例 対照

数字やランクで切り分ける

数字やランクで切り分ける方法も多い。

  • 年齢別
  • AランクBランクなどのランク制
  • 習字や剣道などの級や段
MECE切り分け数やランクの例

時系列(フロー)で切り分ける

時系列順や行動フロー(プロセス)での切り分け方法もある。ここでは割愛するがプロダクトライフサイクルなどのフレームワークも時系列での切り分けとなる。

  • プロダクトライフサイクル
  • AIDMA
  • カスタマージャーニー
MECEの例 時系列やフロー

要素分解で切り分ける

MECEで切り分けるのが一番多いのが要素分解型の方法ではないだろうか。抽象概念を要素分解していくことより具体的になり問題がはっきりとしてくることが多い。

  • 血液型
  • インターネットを見るデバイス(PC、タブレット、モバイル)
  • カテゴリ分け(細分化)
MECE要素分解 血液型

MECEで考える2つのアプローチ

MECEではボトムアップアプローチとトップダウンアプローチ2つの手法が用いられる。

ボトムアップアプローチ

ボトムアップアプローチは既にある具体的な事柄や事象をまとめてMECEにしていくといった手法である。いわば帰納的な手法である。例えば、週刊少年ジャンプ、週刊少年マガジン、週刊少年サンデーという3つの漫画雑誌をボトムアップアプローチで考えると既にこれらの漫画雑誌は切り分けられた状態なのでいわゆる切り分ける前の状態は「3大週刊少年漫画」になる。
他にも「友情・努力・勝利」がテーマの漫画雑誌は?となると週刊少年ジャンプになる。ボトムアップアプローチのデメリットは切り分けたをまとめるので思考に「モレができやすい」ことが起こりうるので注意。しっかりと仮説を立てグルーピングしていくことが重要になる。全体像がはっきりとしていない場合に用いられることが多い。

トップダウンアプローチ

トップダウンアプローチは「上から下へ」の思考となるため全体から目的や問題に沿った切り口で分類していく。いわば演繹的な手法である。よくあるMECE考えるにはトップダウンアプローチが用いられるだろう。
先の漫画の例で言えば週刊少年ジャンプの3大テーマはとなると、「友情・努力・勝利」となりトップダウンのアプローチとなる。こちらはしっかりと元の切り口となる概念をしっかりと把握できれば「モレなく・ダブりなく」切り分けがしやすい。

MECEなビジネスフレームの例

様々なビジネスフレームワークにもMECEが用いられている。以下に少しですがフレームワークを挙げておく。

  • ファイブフォース分析
  • SWOT分析
  • バリューチェーン分析
  • 3C分析
  • マーケティングの4P
  • アンゾフのマトリクス
  • PDCA

MECEについての注意事項

くどくどとMECEには「モレなく・ダブりなく」と伝えてきたが、MECEはあくまで手段である。MECEを覚えたての時は「手段が目的」になってしまうことが多い。MECEにすることにこだわりすぎて目的が見失ってしまっては元も子もない。

また、MECEにも例外がある、例えば対照の例で説明した「男女」で切り分ける場合に身体的な男女なのか、それとも心的な男女なのかという場合もありうる。また利き腕も両利きも存在するがごく少数なので例外とする。そういった部分に囚われず対極的にMECEwo利用できるといいだろう。MECEはあくまで「手段」である。

MECEについてのまとめ

今回はMECEについて説明しました。MECEはロジカルシンキングで考える基礎となるので覚えておくと良い。よくあるビジネスフレームワークにもMECEが用いられている。ビジネスフレームワークの思考を使うためにもMECEの概念を把握しておくと良い。ただしMECEはあくまで手段であるのでMECEにこだわりすぎずに問題解決ができなくなっては意味がないので注意しよう。

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